世界中で蔓延している新型コロナウイルス。
現在、新型コロナウイルスに対抗する有効手段としてコロナウイルスワクチンがあります。
ワクチンは連日、各メディアで取り上げられ、日本だけでなく世界各国で接種が進められています。
今回は、このようなコロナウイルスの大流行において、薬剤師ができることは何か、どのような役割を果たすべきかについてまとめていきます。
コロナウイルスワクチンの開発の現状とは?
まず始めに、コロナウイルスワクチンの接種状況についてまとめていきます。
日本で接種が進んでいるワクチンはファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネカ社のワクチンの3種類です。
いずれのワクチンも、海外で数万人単位の大規模な臨床試験が実施されており、発症予防効果は、ファイザー社のワクチンが約95%、武田/モデルナ社のワクチンが約94%と、高い効果が確認されています。
日本製のワクチンも開発が進んでおり、各製薬企業は来年度中の完成を目指しています。
新型コロナウイルスワクチンとは?
新型コロナのワクチンは、mRNA(メッセンジャーRNA:mRNA)ワクチンに分類されます。
通常のインフルエンザワクチンとは特徴が異なることがポイントです。
従来のワクチンは弱毒化された病原体や、病原性のないウイルスの一部を接種しています。
少量の病原体やウイルスに対して体内の免疫系が働き、交代を獲得する仕組みです。
一方でコロナウイルスワクチンはmRNAを投与することで体内に免疫の目印となるウイルスの一部を作り出します。
mRNAを簡単に表現すれば、ワクチンの設計図。
ウイルスは人間の細胞を利用し、mRNAを基にしてウイルス全体を作っていきます。
mRNAワクチンは長きにわたって研究が行われてきており、コロナワクチンとして初めて承認されました。
コロナワクチン接種の現状とは?
日本では2021年2月より先行接種が開始され、日本全体でも接種率が上昇しています。
医師や看護師、自衛隊の協力によって、かなり急ピッチで接種が進んでいますね。
薬剤師への要請も始まっており、注射取り扱いの講習会も始まっていました。
たんぽぽ薬局も薬剤師会主催の講習会に参加しています。
ワクチンによる副反応は?
ワクチン接種による副作用は全国で確認されています。
主な症状としては発熱や筋肉痛、倦怠感が非常に多く報告されています。
実際に、患者さんからも、熱や倦怠感があってしばらく寝込んでいたという話を聞きました。
薬局スタッフは充血がひどくなったという方もいて、様々な副作用があることがわかります。
厚労省は副反応について最新情報をまとめています。
詳しい情報はこちらから確認してください→新型コロナワクチンの副反応疑い報告について
薬局では副作用を積極的に収集しており、製薬企業やクリニックに対して情報提供をしています。
1回目接種と2回目接種、また年代別でも副反応が起きる確率は大きく変わりますので、注射接種後には十分に注意してください。
今、薬剤師に求められている事とは?
現在の法律上、薬剤師が患者さんに対してワクチン接種をすることはできません。
医師とは看護師とはできる医療行為が異なっているようです。
しかし、薬剤師がワクチン接種に対して無関係とは言えません。
同じ医療従事者として何かできることがあるはずですよね。
薬剤師側から協力や連携を積極的に行っていく必要があるでしょう。
ワクチン接種会場でのフローチャートは下記の図のようになっています。
薬剤師ができることとしては、ワクチン接種以外の部分を総合的にフォローすることができると思います。
予診票の確認や問診の確認、接種後の聞き取りなど薬剤師ができることは意外と多いのかも。
また、地域の患者さんがワクチン接種を終えた後、症状や副作用の様子を聞き取ることもできます。
薬局では実際に接種を終えた患者さんに、副作用について積極的に声掛けを行っています。
中にはひどい副作用が出てしまい、数日間寝込んでしまった患者さんもいました。
この患者さんについてはしっかりと経過を聞き取り、近隣のクリニックに情報提供をしています。
ワクチン接種会場でできることや薬局内でできることを自分なりに考えながら行動することが大切なのかもしれません。
薬剤師によるワクチン接種の動き
最近では薬剤師にもワクチン接種ができるよう職能拡大を求める動きも出ています。
確かに、薬剤師も注射が打てるようになればかなりできることが増えるのかもしれません。
毎年、インフルエンザの注射や各種予防接種などたくさんあります。
そのたびにクリニックや病院が混雑し、いつもの診療を受けたい人が予約が取りにくくなるという声をちらほら聞きます。
もし、薬局でもインフルエンザ予防接種だけでも打てるようになれば、患者さんにとってもいいかもしれませんし、病院のオペレーションが減るのでいいこともあるかもしれません。
しかし、薬剤師はもともと患者さんに対しての医療行為について学習していません。
それを現場でいきなりやることになってもなかなか難しいことが出てきそうです。
現状ではまだまだ課題は山積みですね。
まずは、薬剤師ができることを見つけて行動していくことが必要であると思います。