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カルシウムの働きと目標にしたい1日摂取量を詳しく解説

カルシウムは食品に多く含まれる栄養素の1つです。
私たちがカルシウムを含む食品を摂取すると、体のいろいろな場所で働いているんです。

しかし、実際どんな働きがあるか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は、カルシウムの働きを説明し、1日の摂取目安とカルシウムが含まれる食品を紹介していきます。

カルシウムとはどんな栄養??

カルシウムは体重の1~2%含まれており、生体内に最も多く存在するミネラルです。

99%のカルシウムは骨や歯などにあり、残り1%は血液、筋肉、神経などに存在しています。

カルシウムは日常生活にも多く登場し、コンクリートやセメントなどにも含まれているんです。

カルシウムの吸収と働き


カルシウムは皮膚や小腸、腎臓で吸収されています。
体の中で活性型へと変化し体の中で働いていきます。

副甲状腺ホルモン、カルシトニンといった他のホルモンと関与しながら骨の形成を促しています。

カルシウムは腸管での吸収、血液から骨への沈着、骨から血液への溶出、尿中への排泄などの働きで一定濃度に制御されています。

カルシウムは色々な働きがあります。

  • 骨や歯の主要な構成成分
  • 細胞の分裂・分化
  • 筋肉収縮
  • 神経興奮の抑制
  • 血液凝固作用の促進
  • 骨は骨形成と骨吸収を3か月サイクルで繰り返しています。
    骨形成はカルシウムを元にして骨を作り、骨吸収は骨を分解しカルシウムを血液中に放出しています。

    実は体の中で骨が分解されていると考えると驚きですよね。

    成長期には形成量のほうが吸収量より多く骨量は増加し、ぐんぐん成長していきます。

    一方で男性では50歳代、女性では閉経後に、吸収量のほうが形成量を上回ってくるんです。

    吸収量が多いので骨の中にあるカルシウム量が減ってくるので骨が折れる危険性が高まります。

    高齢になるほど骨の形成スピードが遅くなっているので、より注意が必要になります。

    カルシウムの1日の摂取基準を細かく紹介


    日本人の食事摂取基準(2015年版)では以下のように推奨量が定められています。

  • 18~29歳男性:800㎎
  • 30~49歳男性:650㎎
  • 50歳以上の男性:700㎎
  • 18歳以上の女性:650㎎
  • また、カルシウムの過剰摂取により、高カルシウム血症など健康被害がみられることから、耐容上限量は、18歳以上男女ともに1日2,500㎎と設定されています。

    平成27年国民健康・栄養調査におけるカルシウムの一般食品からの1日の摂取量は517.3㎎でした。

    年代別に見ても、平均のカルシウムの摂取量は40~49歳で456㎎、50~59歳で496㎎、60~69歳で560㎎、70歳以上で567㎎と推奨量に比べてカルシウムの摂取量は不足しています。

    かく年齢の基準値を下の表にまとめています。

    カルシウム 骨

    カルシウムが不足すると??

    カルシウムが不足すると、骨や歯に影響が出やすくなります。

    幼児期にカルシウムが不足すると、成長が遅れやすくなったり、通常よりも骨が弱くなることがあります。

    カルシウムの不足状態が長期間続くと、骨密度の上昇が妨げられて丈夫な骨が形成できなくなり、高齢期、特に閉経後の女性では、骨粗鬆症が起こりやすくなります。

    また、神経や筋肉に異常が見られやすくなり、筋肉の異常なけいれんや転換症状が起こることがあります。

    カルシウムはどの世代においても重要な栄養素であり、意識的に摂取したいですね。

    カルシウムの過剰摂取の注意点

    カルシウムの過剰によっても体に異常がみられることがあります。

    過剰にカルシウムを摂取した場合、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などが報告されています。

    もちろん、全ての症状が出るわけではありませんが、カルシウムの適正範囲内で摂取が必要です。

    カルシウム強化食品やサプリメントを使用する場合にはとりすぎに注意が必要です。

    カルシウムを多く含む食品

    カルシウム
    一日に必要な食事摂取基準は、国民栄養調査の摂取量、腸管からの吸収率、骨代謝、尿中排泄を考慮して定められています。

    カルシウムは、魚介類、藻類、乳類、豆類、種実類、野菜類に多く含まれます。

    効率的にカルシウムを摂取するのには牛乳や乳製品が最適です。
    牛乳・乳製品を中心に、小魚、海藻、豆類、野菜などの食品からバランスよくとりましょう。

    脂質異常症(高脂血症)などで脂質のとりすぎが気になる場合は低脂肪乳を利用したり、牛乳が苦手な場合は、チーズやヨーグルトでとったり、料理に加えたりして工夫するとよいでしょう。

    植物性食品には、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸(ほうれん草に多い)、フィチン酸(豆、穀類に多い)などが含まれるので、牛乳や乳製品に比べ、カルシウムの吸収率はよくありません。

    また、リンや食物繊維もカルシウムの吸収を阻害します。一方、吸収を促進させるものに、ビタミンD、クエン酸、CPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)という牛乳中のたんぱく質などが知られています。

    一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からカルシウムを多く含む食品は下のイラストを参考にしてみてください。

    カルシウム 食品
    出典:公益財団法人 骨粗鬆症財団

    まとめ

    今回はカルシウムの働きや適性基準、カルシウムが多く含まれる食品についてまとめました。

    カルシウムは私たちの体になくてはならない栄養素です。

    特に日本人はカルシウムが不足しがちと言われており、意識的にカルシウムの多い食事を心がけてみましょう。

    たんぽぽ薬局では健康情報を定期的に発信していくのでぜひチェックしてみてください。

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