コロナ禍で経営不振の薬局が増え大手調剤薬局が倒産したとのニュースも見聞きする割には、主要転職サイトの広告には保有求人数何万という数字が並び、それに1回でもアクセスしようものなら求人関連のデジタル広告がスマホにこれでもかと表示される羽目に…。また薬剤師コミュニティ、各種セミナー、薬局関連雑誌等に連絡を取ると、頻繁に転職ご案内メールが飛び込んでくるようになるでしょう。
ただ膨大な情報から本当に必要なものを見つけ出し、最良の選択をするのは意外に難しいものです。
アンダーライン2
アンダーライン3
アンダーライン1
そこでここでは大海のような求人情報の中からあなたにぴったりの、たった一つの求人を探し出す方法をお伝えします。
意外に多い薬剤師の求人数
640×360
薬剤師として働くとき、薬剤師の求人を調べる人は多いでしょう。
主要な薬剤師転職支援サービス会社のウェブサイトに記載された求人保有数は以下の通りです(2023年2月19日時点)
A社 44953件
B社 56692件
C社 40024件
D社 19219件
E社 45000件
F社 40000件
もちろん重複はしており、地域等による偏在もあるでしょうが、単純に考えると多くの求人があなたを待っていることになります。
ではその中からあなたが本当に求めている職場を探し出すにはどうすればよいでしょうか?
溢れる薬剤師の求人情報からベストソリューションを見つけ出すには??
まず薬剤師として働くために、最初にやるべき事はターゲットを知ること!
つまりどのような職場があって、どのような雇用形態があるかを知ること、その上で自分が職場に求めることは何かをじっくり考えていきましょう!!
薬剤師の雇用形態/働き方を知る
薬剤師の働き方として正社員、パート、派遣社員(30日未満の短期派遣と紹介予定派遣を含む)があります。
それぞれの雇用形態について適切に理解できているでしょうか。
知らなくても薬剤師として働くことはできますが、思わるところで自分が損をしたり、大変な問題に巻き込まれることがあります。
①正社員
「正社員」とは、厚生労働省ウェブサイト※によれば以下の通りです。
・労働契約に期間の定めがない
・フルタイム労働者(※短時間勤務の正社員の場合もありますが、ここではフルタイムを念頭にご説明します)
・直接雇用(企業と労働者が直接雇用契約を結ぶ)
※「勤務地などを限定した「多様な正社員」の円滑な導入・運用に向けて」/厚生労働省+都道府県労働局作成冊子より引用)
② パートタイマー
厚生労働省のウェブサイトによれば「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者」を指します。
※因みに採用が決まったら必ず契約期間、更新の有無、始業/就業の時刻(早出・残業の有無)、賃金、退職に関する取り決め等労働条件について説明を受けて下さい(説明文書の交付も義務付けられています→こちらを参照)。経営者(特に個人経営薬局やクリニックの経営者)の中にはそのような制度を認識していない人もいるので要注意です!!
③派遣社員(30日未満の短期派遣と紹介予定派遣を含む)
↓ 求職者が求人サイト(派遣元)との間で労働契約を結ぶ。
↓ その求人サイトが労働者派遣契約を結んでいる薬局等(派遣先)に求職者を派遣する。
求職者は派遣先薬局等の指示の下で働くというものです。
以下について補足説明します。
④30日未満の短期派遣
2012年より30日未満の派遣は原則禁止になりましたが、以下の要件を満たす場合は一日単位の短期派遣が可能です。
・60歳以上である場合
・学校教育法の学校の学生又は生徒
・本業の年間収入の額が500万円以上である場合
・主たる生計者ではなく世帯の年間収入の額が500万円以上である場合
⑤紹介予定派遣
就職を前提に一定期間(6か月を超えることは認められていません)勤務した後に双方の合意を経て派遣先に就職するシステムです(この時点で雇用主が派遣元/求人サイトから派遣先/薬局等に変更)。後述しますが、勤務先との相性を確認してから就職するというメリットがあります。
それぞれのメリット、デメリット、向いている人を以下にまとめてみます。
メリット
デメリット
向いている人
向いていない人
正社員
・契約期間の定めが無いのでライフプランを立てやすい。
・安定した収入を得られる。
・社内でキャリアアップが可能
・正社員のみが利用できる教育訓練、福利厚生施設利用制度が設けられている場合がある。
・業務内容、就業場所/時間を自由に選べない事が多い。
・職種によってはノルマが課せられることもある。
・シフト等でパートタイマーをカバーしなければならない事もある。
・拘束時間が長い。
・一つの組織の中で自己実現したいと考えている人。
・変化をあまり好まない人
・家庭や健康上の理由等で長時間勤務が難しい人
・1ヵ所に留まる事を好まない人
・同時に複数の事に取り組みたい人
パートタイマー
・家庭の事情、ライフスタイルや志向に合わせて、勤務時間を設定できる(扶養内勤務も可能)。
・兼業等自由な働き方ができる(※雇用者側が制限を設けている場合有り)。
・正社員より重い責任を課される事が少ないので、プレッシャーが低い。
・契約内容によってはライフプランを立てにくい。
・一般的に正社員より給料が低い。
・福利厚生等待遇面で正社員と差がつけられる事もある。
・責任ある仕事をまかせてもらえず、多くの場合昇進の機会は無い。
・育児/介護等家庭の事情や健康上の理由からフルタイム勤務が難しい人
(※短時間正社員制度のある会社もあり)
・兼業/副業、通学等様々な事に同時期にチャレンジしたい人
・一つの組織の中でのキャリアアップを考えていない人
・安定した収入を求める人
・一つの組織の中でキャリアアップを目指したい人
派遣社員
・一般的には通常のパートタイマーより高時給
・様々な職場を経験できる。
・自分の都合に合わせたスケジューリングが可能
・即戦力を期待されているので、教育研修を受ける事はあまり期待できない。
・時給が高い分高い技能を求められる事もある。
・最長契約期間が同一派遣先/同一部署で3年と定められているので、直接雇用に切り替わらなければ満了のたびに求職活動しなければならない。
・責任のある仕事はまかせてもらえない事も有。
・どの診療科についても一通りの知識や調剤技術を有する人。
・臨機応変な対応が可能な人
・派遣先の流儀を尊重できる人
・様々な職場で経験を積みたい人
・兼業/副業、通学等様々な事に同時期にチャレンジしたい人
・コミュニケーション能力が高い人
・知識や技能が十分でない人
・融通が利かない人
・自分の流儀を他に押し付けようとする人
・安定を求める人
・ひとつの職場でしっかり経験を積みたい人
―30日未満の短期派遣
・一般的には通常のパートタイマーより高時給
・様々な職場を経験できる。
・自分の都合に合わせたスケジューリングが可能(日単位の契約が可能)
・即戦力を期待されているので、教育研修を受ける事はあまり期待できない。
・時給が高い分高い技能を求められる事もある。
・交通費や白衣が自己負担となる場合もある。
同上
同上
―紹介予定 派遣
正式に入職する前に仕事の内容、職場の雰囲気、人間関係等を見極める事ができる。
・交通費や白衣が自己負担となる場合もある。
・人間関係に慎重、敏感な人
・ある程度短期間で職場に溶け込める人
・ある程度短期間で自分の良い点を相手に理解してもらう事が難しい人
薬剤師としてどこで働くかを決める
薬剤師の資格を活かして働く場合、主なものとして病院、調剤薬局、ドラッグストア(調剤併設/OTC販売のみ)があります。
また、必ずしも薬剤師の資格は必要ありませんが、薬剤師を募集している企業もあります。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
病院
・正確、迅速かつ高度な調剤技術が求められる。
・チーム医療の一員として他職種との連携が求められる。
・職種による序列が残る (医師、看護師より地位が低い)場合もある。
・重症患者、救急患者が集まる病院では、常に緊張が要求される。
・給料はあまり高くない。
・夜勤がある場合がある。
・託児施設を備えている場合もある。
調剤薬局
・取扱処方箋の枚数や内容によって要求されるレベルが異なるので、自分の知識や技能に合わせた求職ができる。
・正社員、パート、派遣等の自分に合った勤務形態を選べる。
・地域差はあるが求人数が豊富
ドラッグストア(調剤併設/OTC単独)
・処方薬の他、市販薬、サプリメント、健康食品、化粧品など総合的な助言ができる。
・売れ筋の市販薬、サプリメント、健康食品、化粧品の情報を得ることができる。
・高齢者でも時間や場所を選ばなければ職を得やすい。
・接客やレジ応援を求められる事があり、接遇に特に気を配らなければならない。
・最低限の人員配置のため、レジ打ちの他、売り場設営や清掃など薬剤師業務と全く関係ない仕事を命じられることもある。
・求人数は豊富
企業
・企業と一言で言っても、業務内容は安全性情報管理、医療従事者向けの動画教材作製、広告媒体の薬事法適合性チェック、DI等と多岐にわたり、しかも募集があまり無い職種もあるのでやりたい事が決まっている場合は、常時アンテナを張っておく必要がある。
・会社によっては高年収を狙える。
・福利厚生や休暇など待遇面で薬局や病院より恵まれている場合もある。
・土日休みであることが多い。
転職の目的と絶対に譲れない条件をはっきりさせる
今まで薬剤師という資格を活かしてどのように働けるかを見てきました。それでは次にあなたの希望をどのように整理し、条件を絞り込んでいくかについて考えてみましょう!
あなたのキャリアプランは?/どんな人生を送りたいのか?
例えば高い収入を得たい、薬剤師の資格を活かして社会に貢献したい、家庭を大切にしたいので残業や転勤は困る、薬剤師のパートで定収を得つつ小説家を目指したい!どれもがあなたにとって正解です。
或いは、「そんなに大げさに考えていないんだけどなぁ…」という方は…
↓↓↓
今、何を解決したくて転職するのか?
「正社員になりたい」、「人間関係が煮詰まってきた」、「給料が安い」、「通勤時間が長い」など解決したい課題を明確にしましょう!それが可能な職場が、あなたにとって最適な職場です。
これを十分考えて条件をリストアップし、更に優先順位をつけておかないと、転職を繰り返したり、条件が厳しすぎてそれを全て満たす職場が見つからずどこにも決まらないという事も起こりえます。
具体的には…??
まず付箋を用意しましょう!思いつくまま1枚に付き一つだけ条件を書いていきます。
あなたにとって大切な事でもくだらない事でも何でもいいです。年収○○円以上、家から30分以内、若い人が多い職場、未経験者OK、アロマセラピーやりたい等々
↓
全て書き尽くしたら、大切な順に番号をつけていきます。同程度の希望でもできるだけ序列をつけましょう!
↓
上位2-3までを必須要件として赤丸を付けます。
↓
完成したら、以下のキーワード(※求人広告によく出てくる言葉で検索キーになっている事が多い)を参考になるべく多くの条件を満たす職場を探しましょう!但し、必須条件を見失わない事が大切で、それを満たした上で他の条件をどれくらいクリアできるか、が不満を残さない転職をする上で重要です。
自分が求める職場を探しだす最適な方法は?
色々な方法がありますが、一般的には薬剤師専門の転職サイトを活用する事が多いようです。このようなサイトを使うメリットとして以下が考えられます。
・時期、地域等に応じた薬剤師の求人需給をよく知っている(どこで薬剤師が足りていないか、どの時期に退職者が多く出るか等)。
・求人を出す側/雇用主が求めるもの(どのような人をどれくらいの予算でいつまでに採用したいか等)を地域の事情、医療機関の数、処方箋応需状況等を踏まえて理解している。
・本人の希望や家庭の状況などはもちろん、薬剤師としてのスキル/経歴に適合する職場を紹介してくれる。
・応募書類の添削や事前の面接対策、面接同行、条件交渉(賃金、勤務時間、条件等)等サポート体制が充実している所もある。
・退職関連諸手続きについて助言してくれる会社もある。
・転職後でも、相談に応じてくれる場合もある。
・無料で相談に乗ってもらえる。
転職慣れ(?)しているならともかく、そうでない方は自力で探すよりも効率的に転職活動を進めることができます。タイミングが合えば非公開求人を紹介してもらえるかも!!
簡単にできるので、まずはいくつか登録してみてはいかがでしょう??。
コメント